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飼育器具とセッティング方法

 ここでは熱帯魚や水草を飼育するために必要な器具やセッティングの手順を
 紹介します。


 飼育器具を準備しよう
 〈水槽〉
 
 水槽には、
「ガラス製」「アクリル製」の2種類があります。
 アクリル製
の水槽はアクリルの加工のしやすさから、特注で様々な形の水槽が
 作りやすいということ、また、大型の水槽ほどガラス製の水槽と比べて軽く、
 値段も安くなるのが利点です。
 アクリルは弾力性があることから、割れにくいことも長所にあげられます。



 欠点は、ガラスよりも柔らかく傷がつきやすいので、掃除をする時は
 柔らかいもので洗うようにすると良いでしょう。


 ガラス水槽は、60cm以下の水槽であればアクリル水槽よりも安く、
 傷がつきにくいのが長所です。
 欠点は、アクリル水槽よりも衝撃に弱いこと。
 90cm以上の水槽はかなり重くなり、値段も高くなることです。



 60cm以下の水槽であればガラス製、60cmを超える大きさならアクリル製
 良いでしょう。
 また、最近では、インテリア性を重視した曲面ガラス水槽や、フィルター、ライト、
 水槽が一体となったオールインワンタイプなどもあります。
 初心者の方は周辺器具の豊富な60cm水槽から初めてみてはいかがでしょうか。



 〈フィルター〉
 水槽の中では、魚の排泄物、食べ残したエサ、枯れた水草などを浄化するための
 フィルターが必要になります。フィルターは水槽内のゴミを単に漉すだけでなく、
 魚にとって毒となる亜硝酸を分解して硝酸塩にしてくれるバクテリアを
 育てるところでもあります。


 ちなみに、単に目に見えるゴミを漉し取ることを
「物理的ろ過」といい、
 バクテリアによって飼育 水を浄化するこ
とを「生物的ろ過」といいます。
 
「物理的ろ過」より「生物的ろ過」の方が熱帯魚や水草を飼育する上で
 重要です。



 フィルターの種類には、「上部式フィルター」、「底面式フィルター」、
 「外掛け式フィルター」、「内部式パワーフィルター」、
 「外部式パワーフィルター」
など様々なタイプがありますが、水草をメインとした
 水草水槽には、二酸化炭素が水中から逃げないような、
 なるべく空気に触れない構造のフィルターが適しています。


 水草水槽に最も適しているのは外部式パワーフィルターです。
 エアーポンプと接続する底面式フィルターや、内部式フィルターは、
 エアーレーションによって、水中の二酸化炭素を逃がしてしまうため水草水槽には
 不向きでしょう。
 また、パワーフィルターはろ過能力は高ければ高い程良いので、
 使用する水槽の水量にあったフィルターより、ワンランク上のものを使うことを
 お勧めします。


 〈ヒーター&サーモスタット〉
 ヒーターは単に熱を出すだけの器具です。直接コンセントに差し込むと水温は
 上昇し続け、熱帯魚や水草を死滅させてしまうため、水温を制御するための
 サーモスタットと接続しなければなりません。
 水温の設定はダイヤル式のものが主流になっており、設定しておけば水温を
 一定に保ってくれます。



 また、サーモスタットの機能を備えたオートヒーターというのもあり、水槽周辺が
 スッキリしますのでインテリア性を重視したい場合に向いてますが、設定温度を
 変えられないのがデメリットです。
 ヒーターの容量は水槽サイズに合った物を使用しましょう。
 例えば、
 60×30×36(57リットル)は
100~150W
 90×45×45(157リットル)は
400~500W、
 120×45×45(205リットル)は
500Wです。


 また、万が一故障して、水温の低下によって魚が死んでしまうといった事故を
 防ぐために、出来れば400Wのヒーターを1本使用するより、
 200Wを2本にしたほうが良いでしょう。


 〈照明器具〉
 インテリアとして部屋を美しく演出し、水草の育成や、熱帯魚の観賞に欠かせない
 物が照明器具です。
 照明器具には蛍光灯が一本だけ取り付けられたタイプや二本取り付けられた
 ダブルライトがありますが、熱帯魚のみを
 飼育する場合は一本でも構わないのですが、水草の育成には光量が不足し
 上手く育てられない為、ダブルライト(60cm水槽で20w×2)を使えば、
 たいていの水草を育てられますが、強い光量を必要とする種類を育てるときや、
 多くの水草を植え込んだ水草水槽にはダブルライトが2つ(20W×4)あれば
 理想的です。


 市販のダブルライトの蛍光灯にはたいていグリーンのタイプと、
 赤味の強いタイプがついています。
 グリーンのタイプは水草の緑を鮮やかに見せてくれます。
 赤味の強いタイプは魚の体色を美しくみせます。
 水草育成にはグリーン系が良いのですが、グリーン系だけだと水槽内が
 ぼんやりとしてしまいますので赤味の強いタイプと併用すると良いでしょう。
 また、水草育成用のランプもあり水草水槽の場合はそちらをお勧めします。


 〈底砂〉
 底砂には様々な種類があるので、初めて水草を育てる人は、何を選べば良いのか
 迷ってしまうでしょう。
 底砂には、
「大磯砂」、「けい砂」、「ソイル系」、「サンゴ砂」などが
 ありますが、サンゴ砂と、けい砂は水質をアルカリ性に傾けますので、
 水草の育成には向いてません。
 大磯砂は古くから親しまれている黒っぽい底砂で水質に影響をあたえません。


 ただし、粒の大きさが細かすぎると、フィルターが目詰まりしたり、根腐れを起こす
 原因になります。
 また、粒が大きすぎると水草が抜けてしまいますので、粒の大きさは3~5mm
 ぐらいが良いでしょう。
 ソイル系はクリプトコリネ、エキノドルスなど根付きの遅く、難しい種類の水草も
 育てられ、近年多くのアクアリストに使われていますが、長期間使用していると
 粒状の土が崩れてしまい、底面フィルターの場合は目詰まりを起こしてしまいま
 す。


 〈ガラス蓋〉
 ガラス蓋をすることにより、魚の飛び出しや、飼育水の蒸発を抑えることができま
 す。
 また空気中の細かいゴミの進入を防ぐこともできます。


 〈水温計〉
 熱帯魚、水草の健康のために、水温は毎日欠かさずチェックしましょう。
 インテリア性を重視し、水槽内をスッキリさせたい方はデジタル水温計を
 お勧めします。


 〈ウォーター・コンディショナー〉
 水道水には塩素(カルキ)が混入されており、魚や水草にとって有害となります
 で、中和剤で中和してからでないと、生物を入れられません。
 種類は豊富で、様々な種類の熱帯魚に合ったものや、種類別のもの、
 水草育成用などがあります。
 規定量を正しく守って使いましょう。


 以上の物を用意し、セットをするだけで熱帯魚は飼育できます。
 この他に、水変え用のポンプ付きホース、ピンセット、レイアウトに使う流木、石、
 バックスクリーンなどは少しずつ買い揃えたらよいでしょう。


 また、水草水槽に必要な物が、
 
〈CO2システムセット〉
 水草の光合成になくてはならないのが二酸化炭素です。二酸化炭素ボンベ、
 拡散筒、エアーチューブ、レギュレーターの
 セットが市販されています。飼育している魚も二酸化炭素を排出しますが、
 量が少なく、上手に水草を育てることが出来ません。
 丈夫な種類を少しだけ植えるなら二酸化炭素の添加は必要ではないのですが、
 水草をメインとした水草水槽や育成が難しい種類を育てる場合は添加した方が
 良いでしょう。


 〈肥料〉
 
液肥は速効性があり、有茎種に有効です。また水草に元気が無いときに
 使用すると良いでしょう。
 水草の状態を観ながら規定量よりも少なめに入れましょう。多く入れすぎると、
 コケが発生してしまいます。


 
固形肥料は、水槽をセットする時に底砂に混ぜて使用します。
 速効性はありませんが、特に根から栄養を吸収するロゼット型に有効です。
 これも水草の状態を観ながら追肥しましょう。
 ただ、ソイル系の底砂には栄養素が少し含まれていますので、
 肥料は規定量よりもかなり少なくても大丈夫です。

 



水槽のセッティング手順
 〈置き場所を決めよう
 水槽をセットし熱帯魚を飼育すると、容易に移動出来ないため水槽の置き場所は
 慎重に決めなければなりません。
 まず、水を入れた水槽はかなりの重量になりますので、しっかりした床、
 台の上へ置きましょう。
 30cm以下の小型水槽であれば下駄箱の上や家具の上でも構いませんが、
 45cm以上の水槽は置かないほうが良いでしょう。
 ちなみに、60cm水槽で60kg、90cm水槽では200kgの重量になります。



 また、湿気に弱い電気製品の近くや、畳の部屋は避けた方が良いでしょう。
 その他にも、直射日光の当る場所や、人が頻繁に出入りするドアの付近は魚が
 落ち着かずストレスになりますのであまり良くありません。
 あと、出来れば水槽の掃除がしやすい様に水道と、照明器具、フィルター、
 ヒーターなどのコードの配線がスッキリするようにコンセントが近くにあれば
 良いでしょう。


 〈水槽をセットしよう〉
 1.
置き場所が決まったら、水槽を軽く水洗いし、水槽の背面に両面テープで
   バックスクリーンを貼りましょう。


 
2.底砂をバケツなどに入れ、お米を研ぐようにしっかり水洗いしましょう。
   ただ、ソイル系の底砂は水洗いの必要はなく袋を開けたらそのまま水槽に
   移してください。この時、レイアウトに使う石や流木も洗っておきましょう。
   (流木はアクが出ますので必ず一週間くらいはバケツなどに水を入れて、
   その中に浸けてアク抜きするか、急ぐ場合は沸騰したお湯の中に入れ、
   煮込めばすぐにアクが抜けます)



 3.水洗いしたろ材をフィルターに入れ、水槽にセットしましょう。
   (まだ電源は入れてはいけません)


 
4.底砂を敷きましょう。美しい水景を作るには、手前えを薄く敷き(3cm位)、
   後方になるにつれて段々と厚く敷く(5,6cm位)のがコツです。


 
5.レイアウトに使う石や流木を配置しましょう。


 6.ヒーター&サーモスタットをセットしましょう。なるべく目立たないように流木や
   石で隠すようにしましょう。


 
7.水を入れましょう。底砂が撒き上がらないように受け皿などで受けてホースで
   水道水を注水しましょう。


 
8.水槽に水が一杯になったら、ウォーター・コンディショナーを入れ、
   手で軽くかき混ぜ、すべての電源を入れたら完了です。


 
水槽のセットが完了した直後はまだ水が白く濁って、バクテリアもいない状態
   です。
   この時に魚や水草を入れるとショック死してしまう危険性がありますので、
   1、2週間はすべての器具を作動させたままにして水が透明になるまで
   待ちましょう。
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